薄膜シリコン型
シリコン層の厚みを薄くすることで、使用原料、生産に要するエネルギー、コストなどの削減をはかったもの。比較的新しい技術で、様々な形態が存在するためひとくくりにするのは難しい。広義には省資源化の意味で、従来の数百μmよりも薄いもの全般(例えば 100 μm 以下)を指す。狭義には柔軟性なども充分に得られる厚みの意味で、例えば 10 μm 以下のものを指す。シリコン融液から表面張力でリボン状に引き出すストリングリボン法を用いた型や、CVD法などを用いる微結晶型などが代表的である。厚みは生産方法の選択によって100nm(0.1μm)単位から数百µm以上まで連続的にカバーでき、目的に応じて使い分けられる。インゴットから切断したウエハを用いて製造する場合は通常数百 μm 単位になるのに対し、融液から直接薄膜の形にするリボン法などでは100 μm 以下、CVD法などを用いた場合(アモルファス型や微結晶型など)では0.5〜数μmまで薄くなる。薄膜のままでは充分に入射光を吸収できないため、表面テクスチャや中間層を用いて光学的特性を制御し、入射光の利用率を高める工夫が施される(ライトトラッピング)。効率の低下分よりも生産時の使用エネルギーやコストが多く削減できるため、環境負荷の観点から優秀なものが多い。尚、変換効率10%を達成したシャープが、1000MW/年の大量生産する新工場を、2009年度中に稼動させる計画を進めている。生産過程でSiH4、PH3、B2H6、GeH4、H2などの気体を使用する。
ハイブリッド型(HIT型)
結晶シリコンとアモルファスシリコンを積層した太陽電池である。通常の結晶シリコンに比して変換効率が高く、温度特性も良いなどの特長を有する。シリコンの使用量が減らせる他、両面受光型にも出来る。日本の三洋電機が主な製造者である。なお、吸収波長域の異なる材料同士を積層するという点では下記の多接合型太陽電池に似るが、pn接合は1つ(単接合)である。HIT型の生産過程ではSiH4、PH3、B2H6、H2などの気体を使用する。
多接合型(タンデム型)
吸収波長域の異なるシリコン層を積層したもの。アモルファスシリコンと各種の結晶シリコンを積層したものの他、通常のa-Siに吸収波長域の異なるa-SiCやa-SiGeを積層したものなどが開発・実用化されている。高効率で温度特性などに優れるものが多い。多接合型太陽電池の項を参照。
球状シリコン型
球状シリコン型太陽電池とは、無数の球状シリコン粒子(直径1mm程度)と、集光能力を上げる直径2〜3mmの凹面鏡(電極を兼ねる)を組み合わせた太陽電池のことである。一般的な結晶シリコン型の1/5程度のシリコン使用量で、アモルファスシリコンよりも高い変換効率が期待できる方式である。2007年初めの時点で10%を超える発電効率が報告されている。球状シリコンの生産方法は、プラズマで溶かしたシリコン液滴を1〜2秒程度自由落下で滴下させ、表面張力でシリコン液滴を球状とし、落下中にレーザー照射により結晶化させることにより生産される。個々のシリコン粒子は単結晶である。高純度シリコン原料の供給が追いつかない状況が続く中、シリコンの供給状況に影響されにくく、生産工程も簡易なことから、コストを下げやすい方式として普及が期待されている。2007年秋から日本企業にて量産開始、2008年より一般販売される予定である。生産過程で気体は使用しない。
電界効果型
従来のpin接合構造を持つアモルファスシリコン型のp型窓層の役割を、絶縁された透明電極から電界効果によって誘起される反転層に置き換えた構造を持つ。p型窓層内で再結合により失われていたキャリアを電界によって速やかに分離する効果等により、変換効率を飛躍的に改善するものと期待される。研究が行われていた1996年当時の従来型に比べ最大50%の効率改善がシミュレーションより得られたが、製造プロセス等の課題により実験レベルでの大幅な効率改善には至っていない。
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