普及政策
地球温暖化の抑制は急務となっており、IPCC第4次評価報告書では平均気温の変化を2℃までに抑えるには2050年までに温室効果ガスの排出量を半減する必要があるとされ、第三作業部会報告書において、再生可能エネルギーも重要な緩和技術に位置付けられている。また国際エネルギー機関も、2050年までの排出削減量のうち、再生可能エネルギーで21%を削減するシナリオを示し、普及のための政策的措置が急務であることを訴えている。 その一方で既存の枯渇性エネルギー源には供給安定化などの目的で直接的・間接的に多額の補助金が支出されており、また既に広く普及しているため安価で流通している。これらは再生可能エネルギーを普及させる際の障壁となる。このような障壁を乗り越え、かつ必要な速度で普及させるため、様々な普及政策が用いられている。現在用いられている普及政策は、固定枠(quotaまたはRPS)制と固定価格買い取り制度(フィードインタリフ制度、feed-in tariff law、固定価格制度)に大別できる。 温室効果ガスの排出源そのものの競争力を相対的に弱める環境税(炭素税)の導入も始まっているが、産業界が強く抵抗することが多い。
なお、こうした普及政策の有効性および必要性は、地球温暖化の抑制策の一環として、スターン報告やIPCC第4次評価報告書でも指摘されている。政策に頼らない自主的努力の限界についても、指摘が為されている。
固定枠制
クォータ(quota)制とも呼ばれる。これは一定割合以上の再生可能エネルギーの利用を義務づけるものである。特に電力においてはグリーン電力証書 (tradable green certificates) 制度を用いて、環境価値分を他に転売することを可能とする制度である。
導入初期段階においてはある程度の導入促進効果を発揮する。しかし導入の際の投資リスクが高く、また条件の良い限られた案件だけが開発されるなどの欠点が指摘されている。下記の feed-in tariff 制と比較して、長期的にはコストが削減されず、また普及促進効果も劣ることが経験的に知られている。日本のRPS制度もこれに属する。
固定価格買い取り制
フィードインタリフ制とも呼ばれ、再生可能エネルギーの設備を導入した時点で、その設備から供給されるエネルギー(主に電力)の買い上げ価格を、一定期間(たとえば20年間)保証する方式である。固定価格制とも呼ばれる。事業計画が立てやすく、投資リスクが低いため、再生可能エネルギーの普及助成費用を最小限に抑えられる特徴を有する。特に風力発電や太陽光発電など、初期投資が投資額の大部分を占める方式で有効である。電力会社に対し、系統への接続や発生した電力の買い上げ義務を課するのも特徴である。買電価格は導入した時期が遅くなるに従って逓減する。この逓減のペースを普及状況とコスト削減の進捗状況に応じて定期的に調整することで、導入量と助成コストを制御する。この制御性、および制度的な柔軟性が他方式に比べて高く、導入量あたりのコストが最も低く済むことが経験的に知られている。このため現在までに最も実績を上げている手法となっており、2006年時点で41の国や地域が導入している。欧州ではEU25カ国中19カ国が導入している(2007年時点)。 制度的な柔軟性も高く、下記の炭素税(環境税)のほか、グリーン電力証書や税額控除などの手法とも併用されることが多い[44]。この制度の優位性は多くの公的機関によって認められ、2008年6月にはIEAも固定枠制などの他制度に対する優位性を認めている
環境税
環境税のうち、温室効果ガスの排出に対して課税するものがあり、これは炭素税とも呼ばれる。再生可能エネルギーの普及策という観点からは、これは化石燃料の競争力を相対的に下げる効果を持つ。上記の固定価格買い取り制度などと併用される場合もある。 海外諸国で既に導入され、多くの国で温室効果ガス排出量削減を実現している(環境税を参照)ことから、導入を検討中の国においても高い効果が期待されている。化石燃料に直接課税するだけでなく、再生可能エネルギー源に対する減免・還付等の財源にする場合もある[46]。固定価格買い取り制度と併用するドイツでは、環境税収の 9割を雇用にかかる人件費抑制(具体的には社会保険料の縮減。残り 1割は環境対策)に用いて、雇用への影響抑制に用いている。
日本でも有効な手段になると考えられており、環境省は得られた税金を地球温暖化対策に用いる(特定財源とする)方式による炭素税導入を提案している。しかし、欧州諸国などに比べて議論は進展しておらず、地方自治体で散発的に導入されるに留まっている。
その他の政策
導入費用に対する補助金、入札(tender)制、控除など税制上の優遇措置、低利融資、余剰電力購入(net metering)などがあり、固定枠制や固定価格買い取り制度と組み合わせて用いられることもある。
日本では電力会社が自主的に余剰電力購入制度を設けている。また地方自治体が独自の補助制度を設ける場合も多い。
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2008年07月27日
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